高齢者の正しい保湿ケア✨

高齢者のスキンケアは施設だけでなく、在宅介護でも必要です。
適切なスキンケアをしていないと、床ずれや皮膚トラブルが
起きやすくなってしまいます。
高齢者の皮膚を健康に保つポイントをご紹介します!

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【どうして高齢者は皮膚トラブルが起きやすい?】
正常は皮膚は、角質のバリア機能によって外部からの刺激から守られています。
しかし、年齢を重ねると皮膚のバリア機能は低下していきます。
加齢によって変化してしまった皮膚は、外部からの刺激を受けやすくなり、
水分保持も難しい状態となり、皮膚トラブルが起きやすくなってしまいます。


皮膚のバリア機能が低下する要因はいくつかありますが、その一つとして
角層内の脂質の減少があります。
脂質は保湿成分でもあるため、脂質が減少してしまうと、水分量が低下し、
皮膚のバリア機能低下を招いてしまします。

また、治療や処置などで使用した粘着テープもバリア機能を低下させてしまう
要因の一つと考えられています。
粘着剤をはがすことが肌への刺激となり、皮膚表面の角質が傷つけられてしまう
ことが原因とされています。

このようなことが原因で皮膚のバリア機能が低下してしまった肌は乾燥しやす
状態となり、感染症や床ずれといった、新たな疾患の原因となるため、高齢者
には適切なスキンケアを行う必要があります。

【高齢者に多い疾患】
1.老人性乾皮症
〇症状
ひざ下や腰背部の皮膚に、浅い亀裂ができ、白い粉のようなものがはがれ落ちます。
また、掻痒というかゆみと伴います。

〇原因
大きな要因として水分量の減少です。
加齢によって、皮膚表面の天然保湿因子が減少することで、水分量が低下してしまいます。


2.失禁関連皮膚炎
〇症状
排泄物が接触する場所に、痛みやかゆみを伴い、紅斑やびらん、潰瘍は生じることが
あります。

〇原因
皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌や刺激物が侵入しやすい状態にあることが
大きな要因となっています。
また、リハビリパンツやオムツを使用することによって、高温多湿の状態となるため、
さらなるトラブルを引き起こすことがあります。

【スキンケアのポイント】
①しっかり洗浄する
外部からの刺激を受けやすくなっている高齢者の肌から、刺激物や感染症の原因となる
細菌をしっかり洗い流し、清潔に保つことが必要です。

②こまめに保湿を行う
皮膚の水分量が低下している高齢者の肌は、保湿剤をこまめに塗布し、角質の水分
バランスを整えることが必要です。
また、保湿を行うことで、かきむしりの予防にもつながります。

③保護する
洗浄し清潔になった肌を、保湿したら、その肌を保護することが大切です。
リハビリパンツやオムツを使用しているかたには、撥水加工のある保護クリームが
有効です。